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メンタリングとは?意味・効果・コーチングとの違い・制度運用のポイント・進め方

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メンタリングとは?意味・効果・コーチングとの違い・制度運用のポイント・進め方

メンタリングとは

メンタリングとは、主に年長者である先輩と、年少者である後輩が1on1 で対話し、後輩が先輩から助言をもらうことです。

助言を行う側をメンター、助言を受ける側をメンティーといい、特にメンター制度で用いられるコミュニケーション手法です。

会社でメンタリングを行う場合は大抵が、上司と部下とではなく、他部署の先輩とマッチングしてメンタリングをおこないます

会社の上下関係ではないため、よりフランクになんでも相談できる関係性を築けるのが魅力といえるでしょう。

メンタリングの意味

メンタリングとは「mentoring」のことで、1980年代にアメリカで人材育成の方法として発達した自己啓発方法の一つです。

ギリシャ神話の登場人物「メントール(Mentor)」に由来し、物語中において、助言や苦境からの脱出を手助けする役割であった事から転じて、若年者や経験の少ない者に知識を与える役割を示す言葉となったと言われています。

メンタリングのメリット・効果

メンタリングの定義や意味については以上の通りですが、メンタリングにはどのようなメリットや効果があるのでしょうか?

  • 職務能力が向上
  • 信頼関係を築くコミュニケーション能力の向上
  • 今後のキャリアを思い描くことができる

ここでは3つの効果をご紹介します。

1. 職務能力の向上

1つめのメリット・効果は、職務能力が向上することです。

これは、メンターとメンティーが相互に相談し、情報交換することによって生じるメリットです。

特にメンティーは、他の場所で働く人の仕事内容を深く知ることで、自分の業務の意味をより理解できます。

結果として、メンティー側の仕事への責任感やモチベーションの向上から、さらなる成長につながるのです。

近年、テレワークが浸透していますが、場所的・時間的に分断された中での仕事は、特に職務能力が成熟していない若手・新入社員にとって仕事の全体像が見えにくくなっていると言われています。

メンタリングを通じて、自身の仕事を意義を確認しながら、メンターの仕事や経験について聞くというプロセスは、若手の成長を支援するという文脈において今まで以上に重要性を増していると言えるでしょう。

  • Z世代の特徴から学ぶ若手社員の価値観とは?
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2. 信頼関係を築くコミュニケーション能力の向上

2つめのメリット・効果は、信頼関係を築くコミュニケーション能力の向上です。。

自由なコミュニケーションが取りにくい職場では特に相手の悩みを無闇に聞き出すことは、プライバシー侵害やハラスメントにもつながりかねず、気軽にできることではありません。

しかしメンタリングでじっくりと話し合うことで、後輩の隠れた悩みを引き出すことができ、部署を超えたコミュニケーションも円滑になり、風通しの良い職場にすることができるでしょう。

3. メンティー側のキャリア形成に有用

3つめのメリット・効果は、メンティー側のキャリア形成に有用という点です。

メンタリングによって、自分の所属する部署のなかだけでは知れない、さまざまなロールモデルを知ることができます

これによって、新人はその会社で働く今後のキャリアの幅を想像しやすくなります

平成生まれの退職理由ランキング
出典:株式会社働きがい研究所「平成生まれの退職理由って?」(https://www.vorkers.com/hatarakigai/vol_14)

キャリア成長は、新入社員の最大の離職理由の1つですが、大きく分けると「十分に情報収集を行った上で判断する」場合と「自身のチームや知っている先輩などの限られた情報から判断する」場合の2つのパターンがあります。

そして、多くの場合、後者=十分な情報を吟味していない中で、所属している会社のキャリア形成を判断してしまっているのではないでしょうか。

メンタリングによって、他部署や他チームの先輩社員と深く対話をする事によって、様々な社内キャリアのパターンを知る事は、定着率や成長率の向上に寄与するでしょう。

前述のようにキャリア成長の不安を防止することは離職防止において非常に重要ですが、それ以外にも離職防止に対しては多様にアプローチすることができます。

  • 退職者1人あたりの企業の損失とは?
  • 退職の真因と求められるマネジメント行動とは?
  • 離職防止のために人事・経営が採るべき施策とは?
  • 1on1の改善を通じて離職防止を強化するためのチェックリスト

>>離職要因と離職防止のためのチェックリスト22はこちらから

メンタリングのデメリット・問題点

メンタリングのメリットについては以上の通りですが、一方でメンタリングにはデメリットや問題点もあります。

本パートでは、メンタリングのデメリットについて、3つに分けて解説していきます。

1. 効果の定量的測定が困難

1つめのデメリット・問題点は、教育効果を定量的に測定することが困難という点です。

メンタリングでは、メンティーの主体性を引き出すという目的が前提としてありますが、これに対する効果を客観的に測定する方法はありません。

客観的に測定することは難しいですが、メンティーへのアンケートなどによる調査を行うことにより、メンターの負担が増えるのみで効果が全くでないという事態は避けることができます。

2. メンターの負担が大きい

2つめのデメリット・問題点は、メンターの負担が大きいという点です。

メンタリングにおいては、通常の上司と部下のコミュニケーションのように目標への取り組みを報告・評価・フィードバックするだけでなく、より密接にコミュニケーションをとり、成長に寄与する必要があります。

しかし、メンターにもメンターとして以外の業務があるため、密にコミュニケーションをとることに対する負担が必然的に大きくなってしまうのです。

3. 教育効果にばらつきが出る

3つ目のデメリット・問題点は、メンティーに対する教育効果にばらつきが出る点です。

メンタリングは、他のコミュニケーション法とは異なりすべての相手に通用する普遍的な方法はありません。 そのため、メンティーに対して方法を変える必要があり、それにどれだけ適応できるかはメンター個人の能力に依存します。

メンターとメンティーの相性はもちろん、メンティーの能力によっても教育効果が異なることに注意しなくてはなりません。

メンタリングとコーチングの違いと共通点

メンタリングと似た概念として、コーチングという概念があります。しかし、厳密には両者は異なり、その違いを明らかにすることはメンタリングの理解において非常に重要です。

ここではコーチングの意味・二つの共通点・違いを解説していきます。

コーチングとは

コーチングとは、「目標達成のために相手に必要なことを問いかけ、今の自分に必要なスキルや知識を気づかせること」で、人材育成の手法の一つとしてメンタリングと同じく近年話題です。

教える側は「コーチ」と呼ばれ、教えられる側は「クライアント」と呼ばれます。

メンタリングとコーチングの共通点

メンタリングとコーチングは確かに共通点の多い手法です。

まず、どちらも1on1の面談形式です。

どちらも相手の話をじっくりヒアリングすることが肝要な手法といえるでしょう。

さらに、主体がメンティー(後輩・新人などの教えられる)側にあることも大きな共通点です。

どちらも、何もかもを手取り足取り教えるわけではなく、相手に考えさせて自発的に成長を促すやり方です。

パフォーマンスマネジメントツール「Co:TEAM(コチーム)」の1on1機能では、部下の状態を分析し、1on1の適切なタイミングや話題の提供を実施します。

そのため、一人ひとりに合わせたより有意義な1on1の時間を設計することができるでしょう。

メンタリングとコーチングの違い

メンタリングとコーチングには大きな違いが二つあります。

まず、コーチングは取り組みやすい目標を設定して短期的に支援する手法です。

これに対して、メンタリングの目標設定はより広く、職務だけでなく、仕事をする上でのキャリアやワークライフバランスの相談などを行うため、長期的に、またより親密に支援する手法であると言えます。

また、コーチングは技術的なアドバイスを行うのに対して、メンタリングはより広い目標設定(例えばどういった社会人になりたいか、キャリアは何か)に向けて心理的なアドバイスを行うという違いがあります。

これまでのメンタリングとコーチングの比較を表でまとめると以下の通りとなります。

メンタリングコーチング
形式1on11on1
主体部下(メンティー)部下(クライアント)
テーマ広範的(職務内容に限定しない)限定的(職務内容に関連する)
時間軸中~長期短~中期
メンタリングとコーチングの共通点と違い

メンタリングにおける制度運用のポイント

ここではマネジメントでメンタリングを導入する上で有効な方法について解説していきたいと思います。

メンタリングを導入する上で、丁寧な研修による目的意識の徹底は欠かせません。

どうしてメンタリングをするのか?などの前提認識をメンター、メンティーの両者がしっかり理解することでメンタリングの効果は増します

そのほかにも、導入時の注意点や、メンター・メンティ制度のメリット、デメリットはこちらにまとめておりますのでご覧ください。

メンタリングの進め方と具体的な方法論

メンターはメンティーの身近な相談相手となります。

客観的に指導することも大事ですが、それは直属の上司に任せ、ここではどちらかというと人生の先輩としてなんでも聞いてあげる相談役であることを意識しましょう。

  • 話の内容に同意する
  • 前向きな言葉に言い換える
  • 相手をよく観察する
  • 相手の言ったことを短くまとめて繰り返す
  • 対話による気づきを促す

長期的に信頼関係を築くための具体的なメンタリング方法を5つ紹介します。

1. 話の内容に同意する(傾聴)

メンターは、メンティーの話を最後まで遮らず、しっかりと聞きましょう。

そして相手の話をヒアリングした上で、内容を否定せず、受け止め、同意してあげることが大事です。 

2. 前向きな言葉に言い換える

相手の言葉を、前向きな言葉に置き換えてみましょう。

これはリフレーミングといって、例えば「暗い」→「落ち着いた」など、視点を変えた表現方法をする手法です。

これにより安易な批判を避けて、相手のモチベーションを保つことができます。

3. 相手をよく観察する

相手の声の調子や表情などをよく観察しましょう。

また観察するだけでなく、その相手の会話のペースに合わせて対話するようにしましょう。

4. 相手の言ったことを短くまとめて繰り返す

相手の話した内容は適宜、簡単にまとめて聞き返すようにしましょう。

「つまり〇〇ということだね?」という相槌を打つことで、話す相手に安心感を与え、また相手の頭の整理にもつながります。

5. 対話による気づきを促す

このメンタリングにおいて、あくまで主体はメンティーであり、対話の中で答えを手取り足取り教えるのはNGです。

聞き役に徹し、質問や悩みのヒントを教えるのみにとどめることで、あとは相手に任せましょう。

こうすることで、相手の自発性や成長を促すことができます。

まとめ

他の人材育成のための研修では、具体的な行動を指導していくのに対して、メンタリングはキャリア開発だけでなく人生設計や仕事での自分のあり方など、より広い視点で長期的にサポートするものです。

一見大変そうに思えますが、こうして培われたコミュニケーション能力や関係性は強いチーム力へとつながるでしょう。

パフォーマンスマネジメントツール「Co:TEAM(コチーム)」を活用することで、部署を超えて組織内のコミュニケーションを活性化させエンゲージメント向上につなげることができます。