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人事評価制度の導入事例・成功事例10選|制度導入の背景・プロセス・結果・メリット

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人事評価制度の導入事例・成功事例10選|制度導入の背景・プロセス・結果・メリット

人事評価制度の成功事例・導入事例10選

人事評価制度の代表的な例としては、以下が挙げられます。

本パートでは、上記も含めた様々な評価制度の導入の背景から結果を得るまでの具体的なプロセスと内容について解説します。

パフォーマンスマネジメントツールCo:TEAM(コチーム)では、MBOやOKR、360度評価をより納得度の高いものにし、目標達成を支援します。

1. OKRの導入事例|株式会社メルカリ

株式会社メルカリはフリーマーケットサービス「メルカリ」を主軸とし、非上場でありながらその評価額は10億ドルを超える国内唯一の「ユニコーン企業」です、

OKRとは、目標管理の制度の1つで、Objectives and Key Resultsの略です。

MBOなどの目標管理の違いは、ムーンショットと呼ばれるチャレンジングな目標を立て、短期間でその達成度やプロセスを評価するという点が挙げられます。

株式会社メルカリでは、日本では導入事例がない中、GoogleやIntelが取り入れて大きな成果を出していたことから、OKRを取り入れることを決めました。

具体的には、3カ月サイクルで全体OKRから個人のOKRまで設定・評価を行っています。

個人やチーム、部署のOKRについてはMTGや1on1で適宜進捗確認を行っており、事業部ごとのOKRについては全体会議の冒頭に必ず振り返りをすることで、全社的な運用を続けています。

このOKR運用により、設立7年目の展開の早いビジネスにおいてもスムーズに目標管理・組織運営ができているのです。

参考:OKRのリアルなハナシ 〜(株)メルカリの場合〜 | DIO チームづくりのACTIONが集まるメディア | エンゲージメント解析ツール【wevox】 https://wevox.io/media/mercari-story/ 2019年11月14日

2. ピアボーナスの導入事例|株式会社メルカリ

前述のようにOKRの導入により人事評価制度を改善させた株式会社メルカリですが、ピアボーナスも導入しています。

ピアボーナスとは、peer(仲間)とbonus(報酬)を合わせた言葉で、給与や賞与といった会社から社員に対しての報酬とは異なり、社員同士で報酬を与えることができる仕組みや制度のことを指します。

ピアボーナスは、成果や能力ではなく、日々の職場における助け合いや良い行動が対象となることを特徴としています。

株式会社メルカリでは、それまで社内コミュニケーション施策として「Thanksカード」が存在したのですが、組織が拡大していく中でより深く文化を浸透させる必要性を感じ、ピアボーナスを導入しました。

名称においても、「日常的に口に出せるワード」とするため「mertip(メルチップ)」と名付けました。

導入後は、具体的な活用例の提示や、「mertip賞」の創設といった施策により導入1カ月後には社員の約9割が5段階評価の満足度で4以上をつけ、さらにチップの消費量も半分以上となり、賞賛文化の浸透に成功しました。

なお、ピアボーナスの浸透に必須のツールについては以下の記事で紹介しています。

参考:同僚から月60回「成果給」を受け取った人も!メルカリの「ピアボーナス」運用の裏側 | SELECK [セレック] https://seleck.cc/1167 2018年2月21日

3. MBOの導入事例|株式会社ディー・エヌ・エー

株式会社ディー・エヌ・エーは、「Mobage」などのゲーム事業を主力としつつ、Eコマースやオートモーティブ、ヘルスケアなど幅広くサービスを展開しています。

MBOとは、Management by Objectivesの略で、個人またはグループごとに設定した目標の達成度を個人で管理する目標管理制度のことです。

株式会社ディー・エヌ・エーでは、MBOの指標を「発揮能力(成長)」に置いており、その達成度を基本給に反映させるという方式をとっています。

成果は外部要因によるものであったり、一時的な伸長であることも多いため、あくまでも当該期間の報酬として反映し、自分でコントロールする部分の大きい成長度合いを基本給に反映するという方針をとっているのです。

社員がコントロールできる部分を基本給に反映させ、かつ期待する成長度合いをグレードごとに定義づけしているため、社員にとって納得度の高い評価が実現できています。

なお、目標管理を効率化・効果を最大化させるツール・システムについては以下の記事で紹介しています。

参考:―DeNAの人事制度に学べ!(前編)― 基本給は「成果」ではなく「成長」で決まる!? | あしたの人事オンライン https://www.ashita-team.com/jinji-online/category3/3415 2018年6月19日

4. 360度評価の導入事例|株式会社ディー・エヌ・エー

MBOを成長度合いにおいて用いて、基本給に反映することで納得度の高い評価を実現させた株式会社ディー・エヌ・エーは、マネージャーに対して360度評価を導入している企業としても知られています。

360度評価とは、評価者に関して、従来の上司のみでなく、評価対象者の同僚や部下も含む評価制度のことです。

多面的な評価を行うことで、一視点では生じなかった要素による評価が可能で、評価の納得度が上昇するのです。

メンバー全員の能力を引き出すという考えのもと、そのためには近くにいるマネージャーが部下の伸びしろを引き上げられることが重要と考えたことを導入の背景としています。

コミュニケーションの改善に重点を置き、記名式で360度評価を実施し、実際に改善して周囲からの評価が上がったマネージャーインタビューを社内報に掲載するなどの取り組みを行いました。

その結果、部下を集めたディスカッションの実施や改善のコミットメントの宣言という効果に表れています。

以上のように、現代の人材確保・人材育成において評価の納得度は非常に重要です。納得度の上昇のために制度改革も有効ですが、そこまでのコストをかけずとも運用を変えることで大きな効果が得られます。

  • 人事評価が組織の生産性向上において重要視される理由とは?
  • 3人中2人が人事評価に不満を持つのはなぜなのか?
  • 既存の人事評価が適切かどうか判断するには?
  • 評価制度を変更せずとも、人事評価の納得度を高める方法は何か?
  • 人事評価制度の成功事例や課題解決方法について

>>【無料】不満を出さない、現代に則した人事評価制度の運用のコツをダウンロードする

参考:上司・人事の承認ナシで異動OK!3ヶ月で20人超が利用した新人事制度・シェイクハンズ | SELECK [セレック] https://seleck.cc/1120 2017年11月28日

5. リアルタイム評価の導入事例|株式会社フィードフォース

株式会社フィードフォースは、One to Oneマーケティングのサポートツールである「social plus」といったBtoB領域における生産性向上サービスを提供している会社です。

リアルタイム評価とは、評価対象者のマネージャーや同僚がその働きぶりや成果に対して即座にフィードバックなどの評価を行う手法のことです。

即座に評価を受けられることで、評価への納得感が上がり、離職率の低下などの効果があります。

株式会社フィードフォースでは、リアルタイム評価導入以前に以下の3つの人事評価上の課題を抱えていました。

  • 成果が出るタイミングと評価のタイミングのズレ
  • 評価基準が明文化されずマネージャーのブラックボックスになってしまう
  • 評価業務へのマネージャーの負担の大きさ

これを受け、評価基準の明確化と併せて、毎月一定の評価基準を超えたメンバーに対して評価を反映させるという取り組みを行いました。

具体的には、1カ月のうちの評価のサイクルを決め、これに従うことによって継続的な短期サイクルの評価を実現しています。

以上の取り組みにより、キャリアパスの作成による評価基準の明確化や、評価サイクルの変更による課題を解決、さらにマネージャーの評価する立場から成長を支援するという立場の変化といった効果がありました。

また、リアルタイムフィードバックの考え方を導入している新しい概念として、「パフォーマンスマネジメント」が挙げられます。これは、1on1・目標管理を通じたリアルタイムフィードバックによって組織のパフォーマンスを向上させるというものです。

詳しくは以下の資料をご覧ください。

  • パフォーマンスマネジメントとは?
  • 組織のパフォーマンス向上につながる理由とは?
  • 伝統的な目標管理・評価制度との違いは?
  • パフォーマンスマネジメントを導入するメリットは?
  • 実際に導入している企業はどんな成果を挙げているか?

>>【無料】MBOやOKRに代わるパフォーマンス向上の仕組み「パフォーマンスマネジメント」の詳細を見る

参考:半年に1回の評価制度を毎月の評価制度に変えた話|フィードフォースのnote https://media.feedforce.jp/n/n222a08fd3e2b 2019年11月8日

6. 360度評価の導入事例| 株式会社Colorkrew(旧:株式会社ISAO)

株式会社Colorkrew(カラクル)は、ネットワークサービスを中心に提供している会社で、管理職のいない「バリフラットモデル」という先進的な人事制度を導入していることで話題の会社です。

株式会社Colorkrewは、必要に応じてどのタイミングでも昇級を申し出ることが可能なシステムをとっており、申し出た際の評価方法として360度評価を取り入れています。

被評価者の「コーチ」が昇級を推薦する際に360度評価を取り入れることにより、総合的に被評価者が上位等級にふさわしいかを判断することが可能にしているのです。

参考:評価者を「自分で」選ぶ。通年リアルタイムで昇降級する「権威を作らない」等級制度 | SELECK [セレック] https://seleck.cc/1226 2018年6月22日

7. ノーレイティングの導入事例|カルビー株式会社

カルビー株式会社は、「かっぱえびせん」や「じゃがりこ」といった昔ながらの大ヒット商品を持つ老舗菓子メーカーです。

ノーレイティングとは、人事評価における社員のランク付け(レイティング)をなくし、数値や記号を用いずに評価する評価手法のことを指します。

業績や評価をランク付けをしない代わりに上司がフィードバックを行い、評価していく形をとり、1on1を通じて部下を評価・育成する形が多いことが特徴です。

カルビー株式会社では、ジョンソンエンドジョンソンでの社長経験を持つ松本晃氏が会長兼CEOに就任したことを契機に改革が始まり、徹底的な成果主義を掲げることとなりました。

それを受け、「成果主義に定性的な評価は不要なのでは」という考えからノーレイティングの導入に至ったのです。

ノーレイティングの実施においては、1on1での対話内容をイントラネットで公開することで評価の透明性を担保したことで、ノーレイティングの効果とともに全社的に評価の納得性の上昇やマネージャーのスキルアップが結果として表れました。

ノーレイティングの実行に不可欠な1on1ですが、現在の日本では1on1の形骸化や効果実感の低さが問題になっています。

それらを解消し、パフォーマンスの向上をもたらす1on1のツール・アプリについては以下の記事で紹介しています。

  • 1on1ミーティングがパフォーマンスの向上をもたらす理由とは?
  • 1on1ミーティングに対して、経営・人事・上司・部下が期待している事は?
  • 1on1ミーティングを成功させるためのポイントは?
  • 1on1ツールを効率的に進めるためにツールが重要視される理由とは?
  • 1on1ミーティングにおいて各社が抱える問題点と解決法とは?

>>【無料】1on1ミーティングの重要性と実態・生産性を上げるポイントを見る

参考:カルビーの“利益率が5年で10倍”を実現させた「働き方改革」とは? | リクナビNEXTジャーナル https://next.rikunabi.com/journal/20170112_c/ 2017年1月12日
参考:【テーマ】1on1 上司と部下のコミュニケ-ション <第2回/全4回> 1on1の事例紹介 ~カルビー株式会社~ – BCウェブマガジン – ビジネスコーチ株式会社 https://www.businesscoach.co.jp/column/hrp19-02.html 2018年6月5日

8. 市場価値による評価|サイボウズ株式会社

サイボウズ株式会社は、「キントーン」などのような、クラウドベースのグループウェア・業務改善サービスを提供している会社です。

サイボウズ株式会社は、社員の給与について、社外/社内的価値の2軸からなる「市場価値」から定め、徹底的に説明責任を果たすという形式をとっています。

目的を「成長のサポート」「給与決定」とし、社外的価値である「転職したらいくらもらえそうかという金額」から金額レンジを決定し、それに基づいてサイボウズのバリューである「信頼度の高さ」などから社内的価値を算出して給与を決定するのです。

サイボウズ株式会社では、人事制度について紆余曲折を経て階層と給与の不一致を課題に感じたということを背景に、市場価値を取り入れた評価制度を導入しました。

これらに加え、給与交渉をオープンに行うことによって社員の納得度の上昇が導入の効果として表れました。

参考:「転職したらいくらで給料を決める」は通過点──「働きたくなる会社」をサイボウズの人事制度から考えてみたら | サイボウズ式 https://cybozushiki.cybozu.co.jp/articles/m001020.html 2015年11月25日

9. ノーレイティングの導入事例|アドビシステムズ株式会社

アドビシステムズ株式会社は、「イラストレーター」や「フォトショップ」で知られるソフトウェア提供を主軸とする会社です。

アドビシステムズ株式会社では、ノーレイティングの具体的な制度として「チェックイン」という3か月に一度の目標に向けた成長点や改善点を話し合う場を設けています。

導入以前は全社員をランキングに当てはめる評価制度を実施していましたが、部下にとって透明性が低くマネージャーにとって負担の大きい制度でした。

そんなか、世界各地の拠点を置く会社の全体としてにノーレイティングを導入することになり、日本拠点も導入することになったのです。

社員を巻き込んだプロセスを経て、またチェックインによって正しく評価されている感覚が生まれたことで社員の満足度は30ポイントほど上昇し、社員のエンゲージメントが高まったことが明らかになりました。

参考:ランク付けの評価からノーレイティングへ  アドビシステムズの人事改革|@人事ONLINE https://at-jinji.jp/blog/20900/ 2018年10月15日

10. コンピテンシー評価の導入事例|楽天グループ株式会社

楽天グループ株式会社は「楽天市場」などのECサービスや、「楽天カード」、「楽天銀行」といったフィンテックサービス、さらに昨今では「楽天モバイル」でのモバイル事業参入などITにおける多方面での事業展開を行っている会社です。

コンピテンシー評価とは、職務ごとあるいは全社的に定義されたハイパフォーマーの行動特性(コンピテンシー)モデルをもとに行う人事評価手法のことです。

コンピテンシー評価の導入により、業務遂行上のプロセスや不足点が明らかになるため、効率的な人材育成が可能になります。

楽天グループ株式会社では、海外進出をして独自の風土を持っていた企業がグループに参入することを契機に、“楽天”という企業体として意識や価値観を統一する必要性に迫られました。

これを背景にタレントマネジメントの考えのもと、コンピテンシー評価が導入されることが決まったのです。

具体的には、「楽天主義」と呼ばれる11項目からなるコンピテンシーを各格付に合うように落とし込み、それらを評価基準の一つとしています。

これにより、現在の全世界的に事業が広がってるフェーズにおいても全社的な意思統一ができているのです。

参考:評価・研修制度:キャリア採用|楽天グループ株式会社 https://corp.rakuten.co.jp/careers/work/
参考:Vol.2 パフォーマンスとコンピテンシーの2軸による新評価制度を導入し、評価を起点に全社員の成長をサポート | HRプロ https://www.hrpro.co.jp/sp_talemane_v02_2.php

まとめ

人事評価制度の導入事例について10個挙げてそれぞれについて背景や内容、結果を解説してきました。

もし新たな人事評価制度の導入や見直しを考えているのであれば、これらを参考に自社に合うものを選んでみてはいかがでしょうか。

Co:TEAM(コチーム)を活用することで、新たな人事制度導入後も従業員の納得感を高め、モチベーションの向上につなげることができます。

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