レコグニションとは?賞賛や承認を促す意味・効果・方法・伝え方

目次
レコグニションとは
レコグニション(賞賛・承認)とは、従業員の仕事上の成果や本人の努力を認め、感謝の気持ちを示すことやチームや組織で表彰を行う事を指します。
従業員に効果的な賞賛を送るには、従業員が上司や同僚からどのよう認められたいかを理解する必要があります。
優れた仕事ぶりを周囲に認められることを喜ぶ従業員がいる一方で、感謝を言葉として受け取りたい従業員もいます。
また、自身の専門的な技術への賛辞を送られることに喜びを覚える人もいます。
これらについて裏付けるデータは数多く存在します。その中の5つについて、ここでは紹介します。
- 表彰された従業員の63%は、転職の意志がない
- 表彰が職場での幸福度を高める重要な要素と考える従業員の割合は82%
- 表彰される機会が増えれば、今より精力的に働けると考えている従業員は40%。
- 高い給与よりも、豊かな助け合い文化を持つ企業を好む従業員は59%
このように、賞賛・承認は、形式として行うのものではなく、人の能力を最大限に引き出し、会社の収益をも向上させるものです。
これにより、組織へのエンゲージメントを高め、離職率を低下させる効果が期待できます。
少子化による人材不足や、優秀な人材による生産性の向上の観点から、離職防止の取り組みは社会的に重要性を増していることからも、賞賛・承認の取り組みの優先度の高さがうかがえます。

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Co:TEAM(コチーム)では、チーム内外のメンバーに賞賛を送ることができます。結果だけでなく、仕事の過程も評価されることで、モチベーションの向上につながるでしょう。
レコグニションを向上させる3つのメリット
1. 優秀な人材の離職を防ぐ
レコグニションを向上させるメリットの1つめは、優秀な人材の離職を防げる点です。
優秀な人材の場合、待遇がその働きに見合っているか否かが当人のモチベーションや離職可能性に大きく影響することが考えられます。
しかし、給与やボーナスの上昇は職位などの会社のシステムによって簡単にはできないことが多々あります。そこで、従業員本人の承認・賞賛を促進することにより、モチベーションを上げるだけでなく、優秀な人材の離職可能性を低下させることができるのです。
2.従業員エンゲージメントを高める
レコグニションを向上させるメリットの2つめは、従業員エンゲージメントを高められる点です。
従業員が社内で表彰されるなど、賞賛・承認がされる本人のみならず、ピアボーナスなどで賞賛を送った従業員もエンゲージメント向上の効果は想定されます。
さらに、全体のエンゲージメントが向上することにより、会社全体で見た離職率の低下を達成することもできます。
3. 会社の雰囲気をポジティブにできる
レコグニションを向上させるメリットの3つめは、会社の雰囲気をポジティブにできる点です。
何かを成し遂げたときに会社や他の従業員が賞賛・承認してくれる制度が整っている集団はポジティブな雰囲気になりやすいことが考えられます。
会社全体がポジティブな雰囲気になることで、会社全体の一体感の向上や、生産性の向上が期待できます。
レコグニションの効果
褒め言葉が最も効果的なのは、結果が行動で示されたときです。
たとえば、ある従業員がプロジェクトで優れた成果を出した場合、賞賛を与えるだけでは不十分なのです。
次のプロジェクトのリーダーに任命したり、新入社員のトレーニングやメンターになってもらったりすることも考えてみましょう。
相手への評価は複雑である必要はありません。
シンプルに、優れた仕事に対する感謝の気持ちを示し、真摯に対応することが大切です。
また、褒めるのは上司から社員へだけでは意味がありません。
最近の研究では、称賛が飛び交う企業文化を築くためには、仲間同士での賞賛も欠かせないことを示しています。
- 同僚間で交わされる賞賛・承認は36%も効果が高い
- 同僚からのフィードバックは、正確であると認識される可能性が2倍高い
これらの同僚からのフィードバックに関するデータは、従業員への表彰を送るのがリーダーや管理職だけでは不十分であることがわかります。
組織は、トップダウン式の表彰方法ではなく、従業員が同僚に直接感謝の気持ちを伝えられるようにする必要があります。
意味のあるレコグニションの方法・伝え方
褒める文化を育んでいる企業は、ポジティブな職場環境とそれに伴う従業員満足度を重視していることを従業員に示そうと努めます。
このような環境を育むためには、称賛の言葉を慎重に、そして適切に共有することで、組織の心理的安全性を高める取り組みが重要です。
本パートでは、レコグニションによって、従業員への感謝の気持ちをどのように伝えるか、そしてその必要性について3つ紹介します。
1. 卓越性を評価する
優秀な従業員が並外れた成果を出した場合、その従業員が表彰されることで、その人が会社の目標達成のためのプロセスに注目が集まります。
結果、ベテラン社員も新入社員も、会社の成功のために努力しようと意欲が高まるのです。
賛辞の言葉を送るときは、残した成果が会社やチームに対して、どのように影響を及ぼしたかも併せて具体的に伝えると効果的です。
2. 目に見えない努力に焦点を当てる
誰もがチームや組織全体のために、気づかれないような仕事もしています。
見えない仕事の例としては、土壇場でスケジュールを変更するアシスタントの仕事や、プロセスを自動化するITマネージャーの専門知識など、様々です。
小さな努力を認めることで、周囲の仕事をほんの少しだけ楽にする「見えない」仕事に焦点を当てることができます。
どのようにアクションしたかに焦点を当てた賞賛の言葉を送りましょう。
3. チームの絆を深める
同僚を助けるために行動をした従業員が評価されることで、組織のコラボレーションが生まれ、コアバリューとして奨励される企業文化が構築されます。
業務において相談は必須とも言えます。
相談する側とされる側、双方が心地よくなれる言葉選びが大切です。
たとえば、相談に乗ってもらって仕事がうまくいったときは、具体的な相手の文脈や功績をあげ、存在を認めるような言葉をかけると効果的です。
レコグニションを高める3つの具体制度
1. ピアボーナス
1つめの制度は、ピアボーナスです。
ピアボーナスは、従業員同士で報酬を贈り合うことにより、レコグニションを高めるというものです。
ピアボーナスにはツール・アプリの利用が不可欠です。 ピアボーナスのおすすめツール・アプリ比較については以下の記事をご覧ください。
2. サンクスポイント
2つめの制度は、サンクスポイントです。
サンクスポイントは、従業員同士の感謝を形として報酬を贈り合うシステムです。
従業員同士で感謝を伝え合うことがベースになっているシステムであるため、会社の雰囲気をポジティブにすることに、より効果が期待できます。
3. 社内表彰制度
3つ目の制度は、社内表彰制度です。
社内表彰制度は、会社が設置する部門ごとに定期的に表彰を行い、従業員の実績や努力を認めるというものです。
ピアボーナス・サンクスポイントのように相互的なものではありませんが、制度運用のコストが低いメリットが挙げられます。
まとめ
豊かなレコグニション文化は、従業員との関わりや成長を求める企業にとって重要な財産となります。
感謝の気持ちを表現することが組織の基本的な価値観の一部となれば、従業員のモラル、労働意欲、モチベーションに明確な変化を与えます。
上司として従業員に感謝し、気にかけていることをさりげなく伝えることで、従業員は成功に向けて努力することができるのです。
Co:TEAM(コチーム)では、チーム内外に関わらず、組織のメンバーに自由にフィードバックや賞賛を送ることができます。
社内で賞賛し合う組織文化が構築されれば、エンゲージメントの向上に役立つでしょう。