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OJTを有意義に!名ばかりOJTから卒業して、研修以上の効果を出すために。

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目次

  • OJTとは
  • OJTとOff-JT(OffJT)の違い
  • 日本のOJT研修の導入背景
  • OJTの目的
  • OJTの基本
  • テレワーク下の新しいOJT
  • OJT成功のポイント
  • まとめ

【働き方改革】テレワーク下の新しいOJT教育とは

新型コロナウイルス蔓延に伴い、テレワークを導入する企業が増えており、政府の提唱する働き方改革にも追い風となっています。また、これまで当たり前だった終身雇用や年功序列からジョブ型雇用に移行する大手企業も出てきています。それに伴い、新しい働き方に移行する中で新人に対する「オンボーディング」が課題となっているということを耳にするようになりました。
特にテレワーク下ではオフラインからオンラインにコミュニケーションが切り替わっているため、さらに新人教育の難易度が上がります。日本の新人教育制度といえばOJTですが、働き方改革が進む現代において、これからの時代に求められるOJTの構築が必要となってきているのではないでしょうか。

OJTとは

OJT(On The Job Training)とは新人教育手法の1つで、経験のある上司や先輩が新人に対して実際の職務現場において必要な知識、スキルを実際の業務を通して伝えていくものです。

厚生労働省職業能力開発局の「職業能力開発関係資料集(平成28年3月29日)」では、重視する教育訓練については、正社員・正社員以外ともに、「OJT」を重視する又はそれに近い企業割合が7割を超えていると報告しており、日本の主要な新人教育手法となっています。

OJTとOff-JT(OffJT)の違い

Off-JT(Off The Job Training)は職務現場を離れた人材育成手法(座学研修)のことです。

厚生労働省職業能力開発局の報告では今後3年間について過去3年間と比して、正社員、正社員以外ともにOff-JTの実施は「増加傾向」の割合が 高まっていると報告しています。

また、その内容に関しては「新規採用者など初任層を対象とする研修(68.6% )、 「マネジメント(管理・監督能力を高める内容など)」(49.6%)となっています。

厚生労働省労働政策担当参事官室の報告では企業が労働者の能力開発に関与しており、かつOff-JTを実施した割合が大きい場合労働生産性が高くなる傾向があるようです。

OJTとOff-JTをうまく組み合わせて新人教育を行うことで相乗効果を得られるかもしれません。

具体的なOff-JTの例

  • ビジネスマナー研修
  • ロジカルシンキング研修
  • プレゼンテーション研修
  • ストレスマネジメント研修
  • コーチング研修
  • メンター研修
  • マネジメント研修

等が挙げられます。

日本のOJT研修の導入背景

日本は古来よりある職人養成型の「見て盗む」教育から、戦後、高度経済成長期において大量の人数の新人教育を時間をかけずに行える手法に切り替える必要がありました。

この頃、欧米より様々なマネジメント手法や経営手法が輸入されており、同時にOJTの前身であるTWI研修が新しい新人教育手法として輸入され、当時の社団法人日本産業訓練協会(現在は一般社団法人日本産業訓練協会)をはじめとする研修機関等により整備され、現代のOJTの基本となりました。

TWI研修(Training Within Industry for supervisors)

  • JIT(Job Instructor Training ): 仕事の教え方
  • JRT(Job Relations Training ): 人の扱い方
  • JMT(Job Methods Training ): 改善の仕方
  • JST(Job Safety Training ): 安全な作業の実施の仕方
  • PDT(Program Development Training):  訓練計画の進め方

OJTの目的

OJTの最大の目的は即戦力人材をいち早く育てることにあります。また、OJTはOff-JTのように特別大きな追加費用はかからず、育成担当者の人件費のみで実施できることからコストパフォーマンスも良いと言えるでしょう。

そして、OJTを通して業務自体に限らず業務効率化の方法も社内に浸透させることが可能です。

OJTの目的まとめ

・即戦力人材の養成

・人材育成の低コスト化

・業務効率化

OJTの基本

OJTの前身にはTWI研修があると先述していますが、さらに起源をたどるとチャールズ・R・アレン(Charles Ricketson Allen)氏の「4段階指導法」というものがあります。これはOJTの基本ステップとして現代も活用されています。この4段階指導法を参考にしてOJTに取り組んでみましょう。

4段階指導法

①Show:やってみせる

実際の業務を実施し見せることで、新人が業務の具体的なイメージを持てるようにする。

②Tell:説明する

業務の内容の意味や背景を伝え、新人のための質疑応答を設けます。

③Do:やらせてみる

新人に実際にその業務を実施してもらいます。

④Check:確認、追加指導

実施後の反省や改善のためのフィードバックを行い、業務の詳細な部分を伝えます。

テレワーク下の新しいOJT

テレワーク下でのOJTでは4段階指導法を実践する中で困難が発生します。それぞれの解決策を見ていきましょう。

①Show

画面上でのやり取りになるため、指導される側に見えない部分が出てきてしまいます。その場合、研修用の実践動画を用意し業務全体が見えるようにしましょう。その上で実践を画面上で見せることで、指導される側がイメージしやすくなります。質疑応答のための準備段階となります。

社内動画マニュアル作成ツール例

・ClipLine(https://corp.clipline.com/)

・Teachme Biz(https://biz.teachme.jp/)

・tebiki(https://tebiki.jp/)

②Tell

オンラインになることでコミュニケーションが難しくなります。理解度チェック表を作成し、指導される側が実践前に伝えたい内容をきちんと把握できているか確認してください。また、質疑応答時もテキストコミュニケーションではなく、オンライン会議にて対面で即時的に返答ができる環境を作り実施しましょう。

③Do

物理的に側にいないことで指導側も指導される側も不安が大きくなります。常にヘルプができる状況を整備した上で実践に移しましょう。具体的にはオンライン会議でいつでも会話が可能、コミュニケーションツールでいつでもテキストコミュニケーションが取れる状態を作ります。また、実践の中で想定されるアクシデント対応表の準備も怠らず、お互いにできるだけ不安要素を取り除くことが重要です。

④Check

実践の中でのネガティブフィードバックとポジティブフィードバックを行います。コミュニケーションの齟齬を生まないためにも必ずオンライン会議等を使用し顔が見える状況でフィードバックを行ってください。また、伝える順番はネガティブフィードバック→ポジティブフィードバックとなるように気をつけましょう。

OJT成功のポイント

新人教育指導は組織の責任

OJTは基本的に1対1の構造になりますが、この任命された指導者だけに全責任を課すのではなく、組織全体でフォローアップできる体制づくりをすることが重要です。教育担当者を別に置くことやメンター制度の導入も助けとなるでしょう。また指導者側が属人的にOJTを行ってしまうと指導される側の能力にもばらつきが生じやすくなるため、ある程度はマニュアル化した上で多様な個人に対応できるような設計が望ましいでしょう。

OJTにおける目標・担当設定

OJTの長期目標と短期目標・担当者をそれぞれ設定しましょう。設定された目標達成のためのマイルストーンを予め用意することで、指導される側がイメージを持って自走しやすくなります。また、指導される側の目標に対しての現在の立ち位置と距離感が測りやすくなります。

計画されたOJT(エクセルやスプレッドシートを活用する)

目標とともに想定の期間を計画します。マイルストーンに合わせて細かなスケジュールを立てて、遅れが生じていないかをシートなどで確認できるようにしてください。また、個人の能力によってはある程度の遅れを計算し、バッファを取っておくことも必要です。

PDCAを回し続ける(放置し続けない)

OJTにおいても目標達成のためにPDCAを回し続けます。一回実践したら終わりではなく、あくまでも目標達成をゴールに改善し続ける姿勢が必要です。OJTのPDCAでは、まずP(Plan)でOJTの長期目標と短期目標を設定します。D(Do)では4段階指導法(Show→Tell→Do→Check)の実施を行います。C(Check)では現状のままで目標が達成できそうか確認し、必要があればA(Action)で4段階指導法にてどこを改善すれば目標達成できるのか指導者が自己フィードバックをします(または他者にフィードバックを求めます)。そして再度P(Plan)でこのままの目標設定で良いのか判断しPDCAサイクルを継続して回していきます。

まとめ

OJTは日本でも戦後から続く新人教育手法ですが、ジョブ型雇用、テレワーク等の働き方改革が進む中でこれまでと同様の方法での継続が困難になっています。現代の流れにあったOJTの運用に変換し即戦力育成を効率化していきましょう。