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OKRの事例5選|事例から学ぶ運用のポイント

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OKRとは

OKRとは、Objectives and Key Resultsの略であり、非常に高い目標を掲げ、高い成果の実現を目指す目標管理制度です。

1970年代にインテル社が考案した手法であり、現在ではGoogleを始めとした様々なグローバル企業が採用する目標管理手法となっています。

チームのチャレンジングな目標と個人の目標を結び付けて成果を追い求める手法であり、非常に高い成果も狙える反面、運用負荷が高く実現の難しい目標管理手法です。

OKRについてやMBOとOKRの違いに関しては以下のリンクで詳しく説明しています。

事例から学ぶOKR運用のポイント

上記の通り、高い成果の実現に繋がるOKRは様々な企業で導入されていますが、運用負荷の高さや管理の難しさなど様々な要因から効率的に運用することはそう簡単ではありません。

その一方でOKRを正しく活用し、効率的な目標管理を行うことで成長を続けている企業も多くあります。

この章ではOKRを正しく運用している企業を紹介し、特徴と共に紹介します。

1. Google

OKR事例の一社目は「Google」です。

Googleには現在取締役を務めるジョンドーア氏がインテルからOKRを持ち込みました。

現在ではGoogleはOKRを運用する代表的な企業として様々な企業の模範となるほどにOKRを活用しています。

GoogleのOKRの特徴としては以下の通りです。

  1. OKRの意義の全社への浸透
  2. ストレッチングゴール
  3. OKRの評価

それでは紹介していきます。

1.OKRの意義の全社への浸透

GoogleのOKRの一つ目の特徴は「OKRの意義の全社への浸透」です。

人は納得のできる目標に比べ、納得できない目標に対しては比較的低い実績で留まってしまうというデータもあるほど、目標への納得感は成果を上げるうえで非常に重要な要素の一つです。

このような観点からもOKRで立てた目標に対して懐疑的であれば、大きな成果を残すことは難しいでしょう。

Googleでは「OKRとは何か」「なぜOKRを今やるのか」「そのためにどのように動いてもらいたいのか」などを周知し、全社でのOKRへの共通認識を確立しています。

このようにすることで皆で納得感を持ち、同じ目標へ向かえるような体制を築いています。

2.ストレッチングゴール

GoogleのOKRの二つ目の特徴は「ストレッチングゴール」です。

GoogleのOKRでは70%達成すれば称賛されるような「ムーンショット」と呼ばれる高い目標を掲げることが求められます。

このようなムーンショットを狙うことには二つのメリットあります。

一つ目はこのように高い目標を設定することで社員がよりモチベーション高く業務に従事することができることです。

高い目標を掲げ、打ち込むことはスポーツなどでもよくあることですが、仕事においても例外ではなく、Googleは本気で達成したいと思える目標へのモチベーションを業務に活用しています。

二つ目は「大きく成長することができること」です。

GoogleのOKRでは到底実現することが難しいような目標を立てて取り組みます。

しかし達成したかどうかという事実に関わらず、真剣に業務に打ち込むんだ後には大きな成長が残ります。

Googleはこのようにモチベーション、成長の二つにおけるメリットからストレッチングゴールを設定しているものと思われます。

3. OKRの評価

GoogleのOKRの三つ目の特徴は「OKRの評価」です。

GoogleのOKRの評価としては1点満点で0.6~0.7に収まるのが望ましいとされています。

またGoogleには一年間スパンのOKRと四半期スパンのOKRありますが、スパンごとに前回のOKRを評価し、共有する文化になっています。

そこで前回のOKRの反省、評価に関する全社会議を踏まえて次のOKRを検討するような改善のサイクルがあります。

このようにGoogleはOKRに対しても絶えずPDCAを回し、改善を続けています。

2.メルカリ

OKR事例の二社目は「メルカリ」です。

フリマアプリを運営する急成長企業であるメルカリもOKRを運用する代表的な企業です。

またメルカリは2015年からOKRを導入しており、日本におけるOKRのパイオニア的な企業として有名です。

メルカリのOKRの特徴としては以下の通りです。

  1. 方向性を明確にする
  2. バリューに基づく、目標設定
  3. OKRと人事評価を分離する

それでは紹介していきます。

1. 方向性を明確にする

メルカリのOKRの特徴の一つ目は「方向性を明確にする」です。

メルカリはOKRを単なる目標管理制度というより、四半期に全社が取り組む方向性を示すようなコミュニケーションツールだと認識しているそうです。

全社での大きなOKRを設定し、それを基に個人のOKRを設定することで同じ方向性に皆が向けるような仕組みを構築しています。

2. バリューに基づく、目標設定

メルカリのOKRの特徴の二つ目は「バリューに基づく、目標設定」です。

前述の通り、OKRで立てる目標に対しては納得感が重要になります。

またメルカリはバリューとしてGo Bold(大胆な挑戦をする)All for One(1つの課題に全員が全力で取り組む)Be Professional(プロとして責任をもって仕事する)を掲げており、OKRもそれに準ずる目標の設定が求められるそうです。

よってメルカリのマネジメント層には「バリューの追求」が求められ、被マネジメント層には「バリューへの共感とそれに基づく行動」が求められます。

メルカリではOKRで定量評価をバリューの実践度合いで定性評価を下すような人事評価制度を取っており、どちらの評価においてもバリューは重要な役目を担っています。

またメルカリのバリューを始めとした行動指針については以下のリンクで紹介しています

3. OKRの達成度合いと人事評価を分離する

メルカリのOKRの特徴の三つめは「OKRの達成度合いと人事評価を分離する」です。

メルカリはOKRの達成度合いの定量項目を人事評価と結び付けていません。

その代わりにOKRへの貢献度合いや注力するプロセスなどが評価されるような仕組みになっています。

人事評価と関連していることもあり、モチベーションの源泉となることから本気で注力する一方で、定量的な数値達成のためだけに低い目標を設定するという現象を防ぐことができます。

>>3人中2人が自社の人事評価制度に不満あり?現代に即した人事評価制度の運用のコツはこちらから

3 .freee

OKR事例の3社目は「freee」です。freeeは法人・個人事業主向けのSaaSクラウドサービスを開発、運営するフィンテック企業です。

急成長ベンチャーであるfreeeもまたOKRを運用し、成果を納めている企業です。

freeeのOKRの特徴は以下の通りです。

  1. フォーカス対象を徹底的に考える
  2. OKRを管理する「OKR進め隊」を用意
  3. 顧客を意識した目標を設定する

それでは紹介していきます。

1. フォーカス対象を徹底的に考える

freeeのOKRの一つ目の特徴は「フォーカス対象を徹底的に考える」です。

目標を丁寧に設定するのは企業として当然ではありますが、freeeはその中でもOKRの目標設定についてはかなり徹底的に考え抜いた末に決定しています。

OKRは非常に工数のかかる施策になるので組織としてやるべきことだけでなく、部下の成長、ちゃんと取り組みを評価できる仕組みを構築できるかなど様々な観点で見ています。

freeeほど工数をかけるのが必ずしも正解だということではありませんが、負荷の大きなOKRでは工数と成果のバランスを見極めた上での目標設定が重要です。

2. OKRを管理する「OKR進め隊」を用意している

freeeのOKRの特徴の二つ目は「OKRを管理するOKR進め隊を用意していること」です。

OKR進め隊はOKRが上手く運用されていくように促す組織です。

Googleの事例と同様に全社に対してOKRが浸透し、意義の理解が進むように尽力しています。

またメンバーのOKRに対するOKR再設定や評価のディスカッションを行っており、効率的なOKRの実現のサポートをしています。

3. 顧客を意識した目標を設定する

freeeのOKRの特徴の三つめは「顧客を意識した目標を設定する」です。

freeeのOKRでは自社の利益などの視点だけでなく、顧客満足など顧客を意識した目標を設定しています。

これにより、自分たちの業績や成長ばかりでなく顧客を想定することで業務のやりがいも強くなり、OKRへのワクワク感もより大きくなります。

またこのように自社の目線だけでなく、顧客を見据えたOKRを設定することで常に顧客ファーストで業務に望んでいるかを常に自問自答しながら業務に打ち込めるようになるでしょう。

4.sansan

OKR事例の4社目は「sansan」です。

sansanは法人向け及び個人向けの名刺管理サービスを提供する日本のベンチャー企業です。

ミッションドリブンな組織であり、組織の一体感が求められるOKRが企業の風土とマッチし、成長を続けています。

またsansanのOKRでは以下の特徴があります。

  1. 定量成果に固執しすぎない
  2. OKRを1on1で管理する

それでは紹介していきます。

1. 定量成果に固執しすぎない

sansanのOKRの一つ目の特徴は「定量成果に固執しすぎない」です。

OKRのメリットとして目標を数値に設定することでチャレンジングな目標とのギャップを可視化し、修正を適宜行えるという側面があります。

しかしsansanのOKRはそこまで定量数値にこだわりすぎないようにしているそうです。

定量数値に固執しすぎず、OKRならではのワクワク感を大事にすることでOKR全体の大きな目標や企業全体としてどうなりたいのか、という認識の統一を非常に大事にしています。

2.OKR評価の1on1で管理する

sansanのOKRの二つ目の特徴は「OKRを1on1で管理する」です。

sansanではOKRに関して三つの1on1を実施しています。

管理職と共に目標を設定する1on1、達成状況に関して管理職に報告する1on1、上司から部下に1on1に対する評価を報告する1on1の三つがあり、OKRを1on1で管理する体制が完全に整っています。

このようにOKR関連の1on1を義務化することで運用負荷はかかるものの、確実にOKRを遂行できるような仕組みづくりをしています。

また1on1については以下の記事で紹介しています。

5.チャットワーク

OKR事例の5社目は「チャットワーク」です。

チャットワークはクラウド型チャットワークサービスを運営するIT企業です。

この企業もOKRを駆使し、急成長を続けています。

以下がチャットワークのOKRの特徴です。

  1. 短いサイクルでOKRを回す
  2. OKRの構造に固執しない
  3. 挑戦へのコミュニケーションツールと位置付ける

それでは紹介していきます。

1. 短いサイクルでOKRを回す

チャットワークのOKRの一つ目の特徴は「短いサイクルでOKRを回す」です。

OKRの運用に関しては半期に一度などで運用している会社も多いですが、チャットワークではそれよりも短い四半期で運用されています。

四半期でのOKRの運用に関して、運用コストなどのデメリットがある一方で、OKRで掲げた目標と現状の乖離を防ぐ事が可能になります。

このような適切な期間設定をした目標作りは非常に重要です。

以下のリンクで四半期での目標設定について紹介しています。

2. OKRの構造に固執しない

チャットワークのOKRの二つ目の特徴は「OKRの構造に固執しない」です。

OKRは一般的に全社の目標から分岐し、部署、個人のOKRと推移していくのが一般的な設定方法ではありますが、チャットワークではそこまで厳密でない運用がなされています。

厳密さにこだわるのではなく、目標達成、チャレンジの姿勢、コミュニケーションの三つを促進していく事を狙いとし、OKRを運用しています。

3.挑戦へのコミュニケーションツールと位置付ける

チャットワークのOKRの三つ目の特徴は「挑戦へのコミュニケーションツールと位置付けている点」です。

チャットワークではOKRを厳密に成果を追求していくためだけの運用でなく、社内での目指すところを統一し、チャレンジングな社内風土の醸成に活用しています。

目指すところが定量成果の最大化ではないため、運用のしやすさを重視し、各部署に運用方法を任せているとのことです。

まとめ

様々な会社でOKRの運用方法は異なっていましたが、どの会社でも社員が本気でOKRに注力できる環境づくりを意識していました。

OKRは難易度は高いですが、運用できた際には大きな効力を発揮します。

1on1の使用など上記の方法を見習い、OKRを運用していきましょう。


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